本記事は税金に関する内容です。実施する前にはかならず税理士にご確認下さい。
オランダで四半期に一度行うBTW(消費税)の申告は、税理士や会計士に頼らず自分でも行えます。本記事ではBTW申告の流れと準備しておくことを解説します。
BTWの申告を自分ですると、
- 会計士に依頼する費用を掛けずに済む
- 年に一度の確定申告が楽になる
- 経費を計上する重要性がわかる
といったメリットを得られます。
ただし、扱う金額が大きかったり海外との取引をしていたりし、正しく申告ができていない場合罰金が科されることがあります。
本記事はBTW申告を自ら行うことを推奨していません。申告は自己責任にあたるため、本記事に沿ったやり方で何らかの損失が生じても、当サイトは一切の責任を負いません。
BTW(VAT)申告のしくみ
BTWの申告は、売上に含めて受け取ったBTWを、経費の支払い時のBTWと相殺して申告することです。
たとえば、
①1ヶ月の売上が1,000€
②この売上に対するBTWが21%で210€
だとすると、210€分を納税しなければいけません。
ここで、
③1ヶ月の経費の支払いが150€
④この経費にかかるBTWが21%で31.5€
の場合、31.5€は返金される金額です。
つまり、(210€)-(31.5€)=118.5€ が申告すべき(支払うべき)金額ということになります。
収入が増えたわけではないので、うっかり使ってしまわないよう注意して下さい。
BTW(VAT)申告を自分でやるための前提条件
BTWの申告のために準備しておくことは以下の通りです。
- 3カ月分のインボイス(請求書)のBTW額
- 3か月分の経費に掛かるBTW額
- Belastingdienst(税務署)のサイト
- DigiD(ログイン用)
上記のA、Bを出すためには、3か月分のインボイスや領収書をしっかり整理しておく必要があります。
このタイミングでまとめておくと、年に一度の確定申告の際に非常に便利です。
BTW(VAT)申告を自分でやる方法
①Mijn Belastingdienst Zakleijk にアクセス
Belastingdienst(税務署)のサイトにアクセスし、DigiDを使ってログインします。
Omzetbelasting(売上税)の項目をクリックし、Btw-aangiften(申告)に進みます。
②該当年月の欄で Starten を選択
Btw-aangiftenのページ内の該当する日付にある「Starten」をクリックします。
※申告が完了すると、ここは「Inzien(閲覧する)」に変わります。
③「申告するものはあるか?」にYes
※Google翻訳でページを英語設定にしておくと楽
「Yes」を選択し、Surname and initial(s)とphone numberを入力。
Surname and initial(s)は、例えば「西野蘭子」という名前だったら、「Nishino R」となります。
④Mijn Belastingdienst Zakleijk にアクセス
1aからは「Sales」の合計BTW金額を入力。その合計が5aに表示されます。
5bに経費の合計BTW額を入力します。次のページへ進むと、5a-5b=XXX(申告額)が自動で計算されます。
ここでわかるのが、「経費の額が多いほど、支払う申告額が少なくて済む」ということ。
つまり、日常的に経費になりうるものはしっかり領収書を取っておき、管理しておくべきです。
※「何が経費かわからない」という方は、会計士に確認した方がいいでしょう。
⑤Betalen met iDEAL で支払い
ステップを勧めていくと自動でホーム画面に戻るので、「Betalen met iDEAL(iDEALで支払う)」をクリックすると、契約している銀行口座を選択する画面が出ます。
あとは、パソコンまたはスマートフォンのアプリ経由で支払います。
⑥You paid で完了
支払が終わると画面が切り替わり、「You paid」と出たら完了です。お疲れさまでした!
「Inzien」をクリックすると、「Aangifte_omzetbelasting」というファイルをダウンロードできます。
確定申告の際、会計士に提出が必要となるため、この機会に他の領収書などと一緒に管理しておくといいでしょう。
BTW(VAT)申告は税理士に依頼しよう
BTW申告の流れがわかると、普段の買い物やお金の使い方、領収書の役割などがわかるようになります。その上で、リスクを抑えるためにも税理士に依頼するようにしましょう。